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日本が財政破綻するっていう説は本当?全て嘘です。

 

 2016年度の政府総債務残高(政府の負債総額)は約1,285兆円となり、年々微増ではありますが、増加傾向にあります。はたして、こんなに多くの負債を抱えた日本の財政は大丈夫なのか?ギリシャやアルゼンチンのように返済不能に陥り、財政破綻はしないのか?誰しも疑問に感じるところでしょう。

 これをいいことに、経済評論家の中には10年以上も前から「数年以内には破綻します」と毎年言っている人も多数います(笑)副島隆彦さんは筋金入りです。アメリカもオバマ大統領の時に破たんすると言っていましたが、見事に外しました。

 しかし、実際には日本が財政破綻する可能性は極めて小さいと言えます。その論拠についてこれから説明します。

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●日本は資産大国

 実は日本は世界有数の資産大国なのです。政府の統計によると、2015年度末時点ですが、1,193.2兆円の負債に対し、672.4兆円の資産が存在しています。単純に負債額から資産額を引くと、520.8兆円(1,193.2兆円ー672.4兆円)の実質負債となります。これだけで新聞やテレビで言われる「国の借金1000兆円」というのは嘘だと分かります。

・2015年度 日本政府の資産の内訳
現金・預金   52.3兆円
有価証券    124.8兆円
未収金等    11.3兆円
前払費用     3.1兆円
貸付金     116.2兆円
運用寄託金   106.6兆円
貸倒引当金   ▲1.9兆円
有形固定資産  180.5兆円
無形固定資産  0.2兆円
出資金     71.9兆円
その他の資産  7.5兆円

資産合計    672.4兆円

 資産の全てを直ぐに負債に当てることは難しいとしても、この中で金融資産として融通できそうなものとして、現預金52.3兆円、有価証券124.8兆円、貸付金116.2兆円、出資金71.9兆円の合計365.2兆円ほどあります。貸付金や出資金は政策投資銀行や国立大学法人、独立行政法人への貸付や出資ということですが、いざとなれば民営化や廃止を視野に入れれば、回収は不可能ではありません。

 実は日本銀行(中央銀行)も民間銀行と同じで日本国債を所有しているのですが、2015年で270兆円所有しています。日本銀行と日本政府は会社でいえばグループ会社ですので、日本銀行所有の国債を先ほどの実質負債額(520.8兆円)から引くと250兆円ほどの負債額しかありません。

 更に国内だけではありません、日本は対外資産についても相当な債権を保有しています。2015年末時点で対外資産から対外負債を差し引いた「対外純資産」が339兆円で、この数字はドイツや中国を上回り、世界第一位です。

 政府だけはなく、国民の資産も膨大です。2016年末の日銀統計では家計金融資産が1,800兆円とされています。これは過去最高の数字となっています。国民の方にもこれだけの余裕があるという意味です。

 以上のことから日本は負債も多いですが、いざとなれば。補填に当てられる資産も多いということが分かります。

 これでどうやって財政破綻するのでしょうか?実際に日本国債の金利は0.5%前後とかなり低い数値です。これは円の信用度が高いことの表れであり、財政破綻の危険があると思われているのであれば、信用も下がり、もっと高い金利になるはずです。以前のギリシャの例ですと国債金利は15%前後にまで上昇していました。財政危機がなくても信用がない国の金利は高いです。例えばトルコの今現在の政策金利は8.00%です。これだけの金利を払わないと誰もお金を貸してくれないのです。

●国債の100%は円建て

 国債の94%は国内で円で買われています。残り6%は外国で買われていますが、それも円建てなので、実質100%円建てと言えます。これには大きな意味があります。いざ返済を求めらた場合は、乱暴な方法ですが、特例法案などを通して、日本銀行が紙幣を増刷すれば対応できます。紙幣増刷はインフレを招くことになりますが、デフレが常態化している日本でどこまでインフレになるかは未知数です。

 また、自国通貨建ての負債を抱え込んで破綻した国は1例もないという現実があります。ハイパーインフレに陥ったジンバブエでさえ自国通貨建ての負債なので、破綻はしていません。

 ギリシャが財政破綻に追い込まれたのは、「自国通貨(ギリシャ通貨ドラクマ)で国債発行」という手段が使えなかったからです。なぜなら、ギリシャの国債の多くはギリシャ以外の外国で買われていて、しかも通貨は「ユーロ」です。ユーロは欧州中央銀行(ECB)が発券しています。ギリシャ独自の裁量でユーロの増刷はできないのです。

財政破綻説を広めたい理由

 財政破綻説を広めたい人は誰かと考えれば自ずと結論は出ます。それは財務省が関わっていると言われています。つまり、「財政破綻するから増税をさせてください」という論法を使いたいからです。消費税増税、相続税増税など増税時には全てこの論法を使っています。

 さらにはこの財政破綻説を使って儲けたい人or会社です。つまり、「財政破綻をすると日本にある銀行預金は封鎖されます。ですので、海外に口座を作りましょう。〇〇ファンドを買いましょう」などと言って、お金を取ろうとする人たち。

●まとめ

 日本の借金ということで考えると、その殆どが日本円が使われているわけです。円で国債が買われている以上は破綻は考えにくいのです。外国から返済圧力がかかったとしても微々たるもので、影響はほぼありません。日本は世界有数の資産を持っている国なのです。ですので、財政破綻はしないし、そういうたぐいの説は全て嘘です。

※余談ですが、テレビや新聞でよく「国の借金」という言葉が使われていますが、これは間違えで、正確には「政府の借金」です。「国の借金」と言うと私たち日本国民も「債務者」のような印象を与えますが、国民は政府の借金を背負っているわけではなく、逆に「債権者」なのです。ということは、国内から一斉に返済を求められない限り、返済不能になることはないと言えます。いざそうなったとしても、前記の奥の手を使えば何とかなる計算です。

[参考記事]
「アベノミクスや3本の矢って結局何だったの?」

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