生命保険に加入するときに、必要とされるのが健康告知です。生命保険会社によって様々ですが、生命保険の種類や保険金額(保障の額)によって、健康告知の方法が変わっていきます。
告知書のみや健康診断書扱い、医師による面談扱い、生命保険面接士扱いなど、様々です。
今回は、生命保険と健康診断について見るべきポイントや、加入する前から気をつけておかなければいけない健康面についてお話したいと思います。
健康診断書扱いとは
一般的に、健康診断書扱いとは生命保険会社によって違いはあると思いますが、年齢や保険金額、保険種類により、告知書と直近の健康診断書を提出することにより査定(審査)を行い、引受けをするかどうかを判断するものです。
身長・体重・血圧・血液・尿のデータをもとにおこないます。
保険会社が健康診断書について細かく見るのか
保険会社において告知がなぜ重要なのか、それは保険の仕組みが大きく関わっています。保険は相互扶助(一人がみんなのために・みんなが一人のために)の関係で成り立っています。
健康ではない方が保険加入をして、その方へ頻繁に保険金をお支払いしていると、他の方に万が一のことが起きても、保険金をお支払いできなくなってしまうかもしれません。
そういった事態をさけるため、生命保険に加入する際は、その方の健康状態を重要視し健康診断書を見れば、何らかの病気の予備軍さえもわかってしまいます。
保険会社は相互扶助の関係を保たせるために、加入時の健康状態を細かく見て、すぐ病気を患う可能性があるのかどうかを見極めるため、細かく査定を行うのです。
加入前から気をつけておく健康面
言うまでもないですが、もちろん不健康であれば契約ができなかったり、部位不担保(例:咽頭5年不担保など、保険始期から5年間咽頭に関わる病気は支払い対象外)が付加されたりと、保険契約に支障が出たりします。
どの年代にも言えることですが、生活習慣病(成人病)の方や、予備軍の方は要注意です。BMI(BMI= 体重kg ÷ (身長m)2)なども適正であることが必要な保険種類もあったりします。
健康診断書で告知の際に見られる点
皆様がご存知のとおり、健康診断書には、身長・体重・血圧など、自分自身の身体のことが記載されています。中でも、どこの数値が重要視されるのかをご紹介いたします。
尿(尿蛋白):
尿蛋白の結果がプラスである場合、尿糖、尿潜血などの血圧検査の結果が必ず必要となる。この場合、要精密検査となる場合がある。死亡保険・医療保険の引受の際、不担保の可能性がある。
尿(尿糖):
糖尿病かどうかを見るため尿に糖が混じっているかを見ます。
血算:
白血球数、赤血球、血色素量、ヘマトクリット、血小板数の検査項目があります。男女共通であったり、男女別で数値の基準が異なるものもあります。
脂質:
総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪の検査項目があります。こちらの項目は、男女共通で基準が同じのものが一般的です。
尿酸:
尿酸値の検査項目があります。こちらの項目も、男女共通で基準が同じものが一般的です。
腎機能:
血清クレアチニンの検査項目があります。こちらの項目も、男女共通で基準が同じものが一般的です。
肝機能:
AST、ALT、γ‐GTPの検査項目があります。こちらの項目も、男女共通で基準が同じものが一般的です。
血糖:
空腹時血糖、HbA1cの検査項目があります。こちらの項目も、男女共通で基準が同じものが一般的です。
心電図:
要再検査・要精密検査等の判定の場合、引受が厳しくなる可能性があります。
胸部X線:
要再検査・要精密検査等の判定の場合、引受が厳しくなる可能性があります。
上記に記載したとおり、やはり生活習慣病に関連する項目の数値を重要視され、査定を行うのが一般的です。
健康診断書の要経過観察・再検査・要精密検査
健康診断の結果をもらった際、異常なしと記載されていれば何の問題もないのですが、要経過観察・再検査・要精密検査と記載されている場合、通常再検査を受診し、医師の指導を受けるべきです。ですが、時間が無い、本人が重く受け止めていないなど、再検査を受診せず、放置をする方が多く見られます。
当然のことですが、異常があれば生命保険を契約する際、査定に影響をきたしますし、不担保や、最悪延期や割増保険料などと健康な方が加入する場合よりも不利な結果となります。
生命保険に加入を考えているのであれば、しっかりと医師の診断や再検査を受診し、異常がないのであれば、再検査の結果表等を必ず健康診断書と添えて提出してください。
再検査を受けて結果が思わしくないのであれば、治療や生活習慣指導等を受け、異常を克服できるよう努力していただくのと、それでも保険に加入をしたいと思うのであれば、FPや保険募集人へ相談をし、今の状態での仮査定をおこなったり、持病があっても加入できる保険を提案してもらうようにしてください。
最後に
告知書扱いであったり、医師扱い、生命保険面接士扱いなどは、健康診断書を用いない査定方法もございます。しかし、健康診断書を用いないといっても、告知書には健康診断を受けたかどうかの告知項目があり、異常を受けたかどうかを告知しなければいけなくなっています。
隠して告知をすると、告知義務違反となり、契約が解除になってしまったり、保険金がでなくなる事態になる、重大な違法行為です。生命保険に加入を考えておられるのであれば、本当に健康な状態の時に、病気を患った時の先行投資だと思って、加入することをおすすめします。
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