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倒産する会社の6つ特徴とは。1日23件倒産している現実がある

 

「1日23件」
 あなたが経営者なら、この数字は知っておかなければなりません。何の数字だと思いますか?

 実はこれ、日本企業の倒産件数です。1年365日の間、毎日平均23件の企業が倒産しているというのです。ほぼ、1時間に1件というペースです。

 倒産件数は近年減少傾向にありますが、それでも年間8000件以上もあるという状況は喜べません。

 倒産する会社の、倒産直前の状況を想像したことはあるでしょうか?

財務状態はどうなっているでしょうか?

どのような商品/サービスを取り扱い、どのような価格設定をしているでしょう?

経営者や従業員はどのような心境でどのような行動をしているでしょうか?

顧客は?取引先は?競合他社は?

 これらの倒産する会社のイメージを持つことができれば、「倒産しない会社」の行動をとり続けることもできます。それでは6つの切り口で倒産する企業の特徴を網羅的に確認していきましょう。

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特徴① 資金繰りを管理していない

 「倒産」とは、銀行借入などの債務を支払えない状態になり、経営を継続することができなくなることです。そして、倒産の直接の原因は資金の枯渇に他なりません。

 黒字倒産という言葉もあるように、たとえ売上が高く損益計算上の利益が出ていても、ある瞬間の手持ち資金が不足して返済困難になれば、倒産を免れません。このような手元の資金不足は、資金繰りを適切に管理していれば発生を極力抑えることができるはずです。

 また、銀行との関係を密にし、事業継続の可能性をしっかりと説明できていれば、一時的な資金貸付に応じてくれることが期待できます。このような事業の運転資金を銀行に助けてもらうことで、顧客の支払遅延などの事態にも耐えることができます。

 真剣に資金繰り管理に取り組み、銀行に対して真摯な姿勢で関係構築をしていれば、企業を存続させていくことがとても楽になるはずです。

特徴② 従業員と向き合っていない

 倒産する直接の原因は、「債務返済が困難になったから」であることに間違いはありません。しかし、その状況に陥った原因を突き詰めていくと、結局のところ「人」「人と人との関係」に行きつくことがほとんどです。

 市場をよく分析し、取引先と良好な関係を築き、良い商品/サービスを開発し、丁寧な接客をし、組織に属する者全員が同じ方向を向いていれば、事業が失敗することはほとんどありえません。

 万が一、事業の基盤を揺るがす事態が発生しても、経営者が従業員に対して真摯に向き合ってきたならば、団結力によってその困難を乗り越えることができるでしょう。

 従業員に嫌われる会社であれば、能力のある従業員は少しでもよい待遇の会社に転職してしまいます。能力がなくて転職できないような従業員であっても、経営が厳しくなっても自主的にどうにかしようと動いてくれることはないでしょう。会社を離れた従業員が、外で会社の悪口をいうことだって考えられます。

 従業員を真に大切にした判断・行動をとり続け、強い関係性を築いた会社は、そう簡単には倒産しないはずです。

特徴③ 商品/サービスの需要を把握していない

 倒産の理由のほとんどは「販売不振」だと言われています。つまり、商品/サービスの力が足りてなく、売上が思うように伸びなかったということです。

 しかし、商品/サービスのせいにする姿勢は経営者としてはいかがなものでしょうか。そもそも物があふれかえっている世の中で、「作ってみた商品/サービスが売れた・売れなかった」という考え方をしていることが問題だといえます。つまり、とりあえず物を作って、それから売ることを考えているということです。

 一昔前はこの考え方でもよかったのですが、現在では「売れる見込みのある商品を作った・作らなかった」という考え方をするべきです。予め需要をしっかりと理解し、テストマーケティングを経て、売れるモノとその量を見込んでから事業を計画的に展開していくのが望ましいということです。つまり、まず売れる物が何かを調べ、それから物を作るということです。

 自分たちがただ作りたいだけで商品を開発してみたが、あまり売れずに在庫が余った。というのでは、倒産してしまっても仕方がありません。

 倒産しない企業には、しっかりと需要にマッチした商品/サービスを考え抜き、顧客にしっかりと便益(ベネフィット)を届け、満足度を高める姿勢が求められるのです。

特徴④ 顧客との関係性を築けていない

 世の中にはたくさんの商品が溢れています。国内の商品だけでなく海外からの輸入品も入ってきています。消費者の視点からみると、類似した商品が店頭やインターネットに並び、購入する商品を選ぶことにも一苦労です。

 機能・デザイン・品質については、店頭商品やインターネット上の写真、カタログの説明を見ただけでは多くの消費者には厳密な比較が困難です。おそらく、価格の差が商品購入の決定的な判断基準になるでしょう。

 このような競争環境の中では、機能・デザイン・品質の向上させることにコストが増加しつつ、価格競争で利益は低下し続けるため、顧客を新規に獲得することも、リピートさせることも困難です。多くの創業者・ベンチャー企業は、このような厳しい環境下で徐々に疲弊し、倒産に追い込まれてしまいます。

 そのような商品/サービス力だけでは競争に勝ち残れない状況下において、最も効果が高い打開策は「顧客関係性の向上」です。
つまり、顧客をファンにするということです。

 商品のファン・企業のファンになった顧客は、商品の機能・デザイン・品質・価格において他社よりも若干劣る部分があったとしても、購入する判断をしてくれることが多くなります。

 経営状況が苦しいときでも、応援し、購入をし続けてくれる顧客をどれだけ増やすことができるかが、会社が存続する重要なポイントになるといっても過言ではないでしょう。

 大企業がブランド力や価格競争力を強みとする一方で、小規模な会社が強みにしやすい要素だといえるでしょう。小規模なビジネスを展開しているからこそ、一人一人の顧客と向き合い、対話し、顧客を理解し、理解される。そういう小規模であることを逆に強みにする姿勢がある会社は、長く生き残れるものです。

特徴⑤ 競合他社を監視していない

 商品・サービスを用意し、顧客を獲得し、その顧客にリピートしてもらおうとしたとき、一つの大きな課題になるのが競合他社の存在です。

 例えば飲食店は、昼休みに近隣の会社員や学生をランチに呼び込むために、新商品を発表したり、店の前に目立つ看板を置いたり、ランチタイムサービスを提供したりと様々な工夫をして競合他社と顧客の奪い合いを毎日繰り広げています。同じ商圏内にいる顧客数には上限があるため、このような競争が起こります。

 家電量販店なら、品揃えや割引・付与ポイント増量、接客力向上・アフターサービス充実化などの工夫を行います。ほとんど同じ商品しか取り扱わない量販店の間で、「何を」買ってもらうかではなく「どの店で」「いくらで」買ってもらうかという点で差別化をするために、このような競争が起こります。

 もし競合他社がいなければ、顧客のニーズに合致する商品はすべて売れるでしょう。そうならないのは、競合他社が存在し、なんらかの工夫で差別化を図っているからです。また、競合他社を監視せずにいると、気づけば競合他社に模倣され、上回る施策を打たれ、顧客を奪われていくでしょう。

 競争に勝ち残るには、顧客の立場に立って自社/他社のどちらに魅力を感じるのか考えることができなければなりません。そして、値引き競争や模倣のし合いといった悪循環・イタチごっこに陥らないように、自社と競合他社の「色・特徴」を認識し尊重しながら、真の意味での差別化を図る努力が求められるのです。

特徴⑥ 取引先との関係性を重んじていない

 経済は複数企業の連続した活動で成り立っています。つまり、原材料から部品を生産する企業、その部品を組み立てて製品を作る企業、その製品を店頭で販売する企業、というように一連の流れがあります。

 さらに、原材料・部品・製品を企業から企業へ流通させる役割を担う企業、製品を消費者へ広告宣伝する企業、というように掘り下げていけば無数の企業が、一つの商品/サービスを消費者へ届けるまでに関わっています。

 この経済の輪に混ざって協力し合うことができない企業が、果たして長く存続していくことができるでしょうか。

 企業は互いに助け、助けられながら成長・存続していくものです。特に、助けられているということに気づいていない・感謝していないという経営者・従業員がいる会社は、徐々にこの輪から外れていくことでしょう。

まとめ

 倒産する企業(倒産しない企業)の6つの特徴は、2つのグループに分けることができます。

内部環境の3つ・・・従業員(ヒト)、商品/サービス(モノ)、資金管理(カネ)

外部環境の3つ・・・顧客(Customer)、取引先(Channel)、競合他社(Competitor)

 「ヒト・モノ・カネ」や「3C」という経営者には馴染みのある考え方でしょう。これら6つの要素に対して何をするか(what to do)を決めるのが「戦略」です。そして、6つの要素に対してどのような姿勢で取り組むのか(what to be)を決めるのが「哲学・理念」です。

 戦略は6つの要素一つ一つを指し、哲学は6つの戦略を束ねる軸・背骨のようなものだと言えるでしょう。

 結局のところ、「哲学」が最も重要と言っても過言ではないかもしれません。たとえ未熟な企業だとしても、哲学が人々の心を惹きつけるものであるならば、
⦁ 銀行からのサポートを受けながら安定した資金繰りを行い、
⦁ 従業員に愛され、モチベーションを引き出し、
⦁ その結果、良い商品が生まれ、
⦁ 顧客はファンになり、
⦁ 競合他社との差別化が図られ、
⦁ 取引先との良好な関係を築くことができます。

 言い方を変えれば、6つの要素は「信頼」の一つのカタチなのかもしれません。信頼を多く得ている会社は長く存続していきます。どのような哲学をもち、どのように6つの「信頼」を得ていくか、ということを真摯な姿勢で考えていくことが会社にとって重要なことだと言えるでしょう。

[参考記事]
「起業に失敗する人の5つの特徴とは」

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