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起業に失敗する人の5つの特徴とは

 

 起業に成功する特徴ではなく、起業に失敗する特徴を経営コンサルタントの国家資格である「中小企業診断士」の観点からお伝えします。

 なぜ、失敗する特徴をお伝えするのか。それは、失敗する確率の高い要因を減らせば、成功する確率が高いからです。では起業で失敗する人の5つの特徴についてお話しします。

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特徴(1)エネルギー不足

 まず、あなたは起業の失敗つまり倒産の原因をご存知だろうか。中小企業庁という国の機関では、毎月15日に「中小企業の倒産状況」を発表している。これによると、常に第一位に挙がるのが「販売不振」である。しかも、僅差ではなく全倒産件数の7割前後を占めるほど断トツの原因である。つまり裏を返せば、モノ・サービスを売ることが難しいということだ。

 売れない状態が続くと、どうなるだろうか。そう!多くの人は落ち込む。当然の反応だ。しかも、先が見えないから余計に不安になる。不安を払拭するため営業に行く。しかし、売れない。まさに負のスパイラルだ。その結果、ビジネスを辞めていくというパターンだ。一方で、逆に燃える人もいる。反骨心を糧に、ガンガン売り込んで契約を取ってくる人もいる。

 この差は、何だろうか。この差は、エネルギーが多いか、少ないかだ。熱意・情熱・ハングリー精神と捉えてもよい。「このサービスで世の中を変えるんだ」「売上を前年比150%を達成する」などの社会的なエネルギーだけでなく、「貧乏から抜け出したい」「海外旅行へ毎月行きたい」「女性にモテたい」などの私的な欲求でもよい。これを潜在的に持っているかどうか起業に成功するか失敗するかの差だ。

 中小企業診断士の企業診断には、社長インタビューというものがある。これは、社長の熱意、情熱がどういったものか知り、会社経営の方針へ入れ込むためだ。それだけエネルギーが重要なのだ。あなたが起業を考えているならば、なぜ起業したいか深く自問自答してみることをお勧めする。一人で出来ない方は、中小企業診断士など専門家に頼るのも良いし、既に起業で成功した人から聴いてみるといいだろう。

特徴(2)素直でない人

 「中小企業の倒産状況」で、第2位に挙がるのは「既往のしわよせ」である。世間一般では、聞き慣れない言葉だろう。簡単に言うと、原因が特定できいないパターンだ。ただ危機感が弱く、気づけば倒産していた状態で、別名「ゆで蛙」とも言われる。

 起業で一度成功し失敗した人は、このタイプが多い。理由は、過去の成功体験が忘れらず、成長することを忘れてしまったからだ。天狗になって、周りのアドバイスや知識・知恵を聞かなくなってしまうのだ。成功しても、他者から学べる素直な人は少ない。ビスマルクの言葉に「賢者は他者から学ぶ。だが、愚者は賢者から学ばない。」とあるが、まさにその通りだ。

 あなたはどちらであろうか。起業家を目指すなら、学ぼう。読書をしよう。人と出会おう。色々な体験をしよう。この世は、成長しているか衰えつつあるのか2パターンしかない。それは、会社も人もモノもそうである。車でも5年ペースのモデルチェンジに加えて、四半期~1年のペースでマイナーチェンジをしてる。あなたも何でも良いからマイナーチェンジをしていこう。この世は、行動し続けた人の勝ちだ。

特徴(3)サラリーマン感覚

 起業する前にサラリーマンであった人が多いのではないだろうか。起業に失敗する特徴はサラリーマン感覚である。サラリーマン時代、お金を使えるのは会社の経費になるかどうかであった。つまり、会社のお金だからあなたの懐が痛むことはなかった。

 しかし、起業すれば経費になろうが、それは全てあなたのポケットから出ていくお金なのだ。経費になるからと、事務所を構える際に電話・FAX・コピー機・PCなどのOA機器をやたら揃える人がいる。自己資金で買う場合なら、まだよい(著者はあまり賛成しない)。OA機器の営業マンから「利子も経費になりますから。ローンで買いましょう。」などと言われ、言われたまま揃える人までいる。これでは、貴重な資金が枯渇してしまう。

 接待交際費も然りである。個人事業主の場合、接待交際費は税法上で全額損金扱い(いわゆる経費)となる。得たい結果を明確にしないまま、経費になるからと交際費を支払い続けてしまうと、資金が枯渇し倒産・廃業してしまう。これは、サラリーマン時代に長ければ長いほど陥りやすいので要注意だ。

 ちなみに、中小企業庁の「中小企業の倒産状況」でも常時第3位に入るのが「放漫経営」だ。お金の入りは多く、出は少なく、これが経営の鉄則だ。起業に失敗しないためには、如何に早くサラリーマン感覚を忘れるかだ。

特徴(4)付き合う人が起業に無関心な人ばかり

 転職コンサルタントの間では、こんな話がある。転職希望者が良く出会う5人の平均年収が、転職希望者の現在の年収とほぼ一致する。これは別に転職希望者でなくても、今現在周りにいる友達5人の平均年収とあなたの平均年収を比べるとそんなには大きく変わっていないはずだ。

 このことは起業の成否にも当てはまる。小企業白書(2017年度版)によると、起業のキッカケが「周囲の起業家・経営者の影響」「周囲の勧め」であった。ということは、起業に関心がある人、起業準備をしている人、起業し成功している人と如何に出会うかが起業を失敗しないポイントになるのだ。

 しかし、起業に無関心な人、例えば会社の同僚と毎週末にお酒を飲みに行っていては、起業から遠ざかることが明白だ。あなたがよく会う人、気が合う人は、どちらの人が多いだろうか。スポーツマンの友達にはスポーツマン、大卒者の友達には大卒者、ヤンキーの友達にはヤンキーが多いはずだ。あなたは起業に最適な環境へ身を置いているか今一度考えてみてはいかがだろうか。

特徴(5)即断即決できない

 起業家ひいては経営者の仕事で「一番の仕事は」と聞かれたなら、「決断」だ。トップが決めなければ、従業員をはじめ周りの人がついていけないし、不安に駆られる。また、技術革新が進み、スマホでいつでもネット注文ができるようになった今、スピードを求められる時代だ。だからこそ起業家・経営者には、決断とスピードが求められる。

 だが、起業に失敗する人は決断が遅い。決断が遅ければ遅いほど、先行者に先を行かれる。お客様は待ってはくれない。確かに考慮を要するときもあろうが、それでも即断即決でやるべきなのだ。間違いであれば、やっている途中でスグ修正すれば対応できる。しかし、熟慮して行動していなければ、何もできない。普段から、即断即決する癖をつけておこう。例えば、食事の注文は店員が水を持ってきた同時にするなど即決即断してみよう。ビジネスだけ即断即決できることはない。むしろ、できない。だからこそ、日常生活で練習しておくことをお勧めする。

 今回あげた起業に失敗する人の特徴に当てはまる人がいるかもしれない。それに気付けただけで、あなたの成功する確率が高まったのだ。そして、失敗する特徴を弱くしていけば、あなたの成功する確率はより高まる。あなたの過去の延長線上が、あなたの未来ではある必要はないのだ。あなたは、変わることができる。

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