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株式投資をする際に大事な自己資本利益率について解説します

 

 株式投資(株式の売買)をする時、投資家は何を基準に行っているのでしょうか?「その会社が儲かりそうだから?(買い)」「あの会社の業績が落ち込みそうだから?(売り)」。こういった判断で株式の売買を行うことは曖昧な判断とされ、売買動機に具体的な根拠がありません。

 では、具体的な根拠とは何でしょうか?

 具体的な根拠の1つに「経営指標」というものがあります。 「経営指標」には「自己資本利益率」「株価純資産倍率」「株価収益率」「配当性向」等、いくつかの指標があります。ここでは「経営指標」の1つである「自己資本利益率」について説明します。自己資本利益率は「return on equity」の頭文字を取ってROEと言われることもあります。

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株式投資で大事な自己資本利益率とは

 「自己資本利益率」を簡単に説明すると「その会社が自己資本を使ってどれくらい利益を上げたか」ということです。「自己資本」を簡単に説明すると「他人資本」の真逆です。「他人資本」とは銀行などから借りたお金や会社の債券の発行で集めたお金ですが、つまり「返済の必要がある資金」のことをいいます。

 一方「自己資本」は、株主が株を買う際に払ったお金、法定準備金(債権者を守るため法律で決められている預金みたいなお金)、企業の活動で儲かったお金などから構成されます。これは「返済の必要がない」資金のことをいいます。

 株式投資をする投資家目線からすると、自分たちが投資した「お金」でいかに「利益を上げたか(儲けたか)」を自己資本利益率で判断することができ、会社にとっては自己資本利益率が良ければ投資家からの資金が集まりやすいと言えます。逆に、自分たちが投資した「お金」で「利益が上がっていない(儲かっていない)」場合は、投資家からの資金は集まりにくくなります。

 「自己資本利益率」の求め方(計算式)は次の通りです。

「自己資本利益率」(%)=当期純利益÷自己資本×100

 「自己資本利益率」は1株あたりの当期純利益を1株あたりの自己資本で割ったものです。例えば10億円の自己資本を使って、1億円を儲けたとします。

 そうすると、自己資本利益率=1÷10×100=10%となります。

 この答えから「自己資本をいかに有効に活用して利益をあげたか」がみえてきます。つまり、「自己資本の効率性な使い方」がみえるといえます。

 「自己資本利益率」の目安は一般的には10%を超えれば「いい会社」と判断できます。

実際の「自己資本利益率」を見てみる

 ここまでの説明では具体的なイメージがなかなか掴めないと思います。そこで、実存する会社(東証一部上場会社)の「自己資本利益率」をみてみます。

 Yahoo!ファイナンスに掲載されている最も「自己資本利益率」の一番高い会社は (株)スタートトゥデイ(3092)の 72.65%。一方、一番低い会社は 日本通信(株) (9424) の -101.52%となっています。2社とも2017年3月が決算です。

 では、この2社の2016/9〜2017/8の株価推移を比較してみます。

●(株)スタートトゥデイ(3092)


https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=3092

 (株)スタートトゥデイの株価は堅調に右肩上がりに推移していることが分かります。丁度、2017年3月のローソク足が「+(十字線)」になっていますが、これは相場が転換することを示しています。ここを境に上に推移していることが分かります。自己資本利益率が良いので、なかなか下に転換することは考えにくいです。

●日本通信(株) (9424)


https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/chart/?code=9424

 日本通信(株) の株価の推移は(株)スタートトゥデイ(3092)と比較して軟調な推移が見てとれます。2017/3月に日本通信(株)の決算期で当期の「自己資本利益率」が確定した時を高値に、その後株価は下落トレンドにあることが分かります。

まとめ

 今回は数ある「経営指標」の中から「自己資本利益率」の説明を行い、東証一部上場会社の「自己資本利益率」の高低から判断した株価の推移を考察してみました。

 ただ、注意しなければないことは、株式投資の判断として「自己資本利益率」だけが尺度となるものではありません。他の「経営指標」を総合的に勘案することが重要ですし、なによりも株式投資をするには「許容できるリスク」を自分で決めた上で行うことが、やはり一番重要なことです。とはいっても、「自己資本利益率」を投資の尺度とすることは意義が大きいです。

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