医療技術は日進月歩で進化していますが、それに対応すべく保険の分野でも新しい医療や治療スタイルにマッチした保険が発売されています。
特に医療保険やがん保険の分野では、数年前までにはなかった新しい保険が発売されて、注目を浴びています。今加入している保険を充実させることもできますので、ぜひご一読ください。
先進医療とは
先進医療とは、厚生労働省の定義によると
厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養
となり、平成29年10月1日現在では104種類が指定されています。
平成27年先進医療の実績ベスト3
1位:多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術
件数:9,877件
内容:
多焦点眼内レンズは、無水晶体眼の視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に挿入される後房レンズのことで白内障の治療に用いる
2位:陽子線治療
件数:3,012件
内容:
放射線の一種である粒子線(陽子線)を病巣に照射することにより悪性腫瘍を治療する。
3位:重粒子線治療
件数:1,889件
内容:
重粒子線(炭素イオン線)を体外から病巣に対して照射する治療法。
先進医療の費用
先進医療の種類によって大きく違います。例えば、前述の先進医療実績ベスト3の1位である水晶体再建術で約50万円、2位の陽子線治療で約270万円、3位の重粒子治療で約300万円の費用がかかります。
一方、前眼部三次元画像解析という
「角膜、隅角、虹彩などの病変及び前眼部の光学的特性を三次元かつ数値的に解析できる先進医療」
は約3,000円程度の費用ですみます。
(出典:厚生労働省 先進医療の各技術の概要 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan03.html)
先進医療保険特約
先進医療に対応する保険として、医療保険やがん保険に付け加える形で「先進医療保険特約」が販売されています。保障内容はいたってシンプルで、先進医療にかかる技術料のうち、払ったお金と同じ額(通算2000万円まで)が支払われる保障です。
保険料は月額100円。年間でも1,200円、保険期間が50年あっても6万円で済みます。
先進医療特約の必要性
先進医療にかかる費用は種類によって異なりますが、がんの治療でよく耳にする陽子線治療や重粒子治療は、前述の通り200万円~300万円かかります。しかも、先進医療にかかる費用は全額自己負担となっており、健康保険は効きません。
このため「お金さえあれば救えた命」ということも起こりえるのが、この先進医療と言われています。しかも月額100円を払えば先進医療の保障を確保できるということですから、先進医療特約には迷うことなく加入する意見は多いです。
一方、実際に先進医療を受ける確率を考えれば、先進医療保険特約はいらないという考えもあります。確かに、たとえばがんの治療において、陽子線治療や重粒子治療を受けた人の割合は約0.5%にすぎません。
保険の加入には「絶対的な意見」はありませんから、最終的には自分の考えに従うということになります。
先進医療保険特約への加入方法
先進医療保険は単独の保険ではなく、医療保険やがん保険に特約の形で付加することで加入するというスタイルです。しかし、加入したのが古い医療保険やがん保険の場合は、先進医療保険特約の中途付加ができないものもあります。
そういった場合、現在加入している医療保険やがん保険を解約して、先進医療保険特約が付加された医療保険やがん保険に加入する必要がありますが、以前加入した時と比べると加入年齢が上がっていることにより保険料も高くなってしまいますから、そこまでして先進医療保険特約が必要なのかを、あらためて考える必要はあります。
リンククロスコインズ
それでも「どうしても先進医療保険特約が欲しい」という方のために、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命が発売したのが、単独で加入できる先進医療保険「Linkx coins (リンククロス コインズ)」です。
リンククロスコインズは、正式には「臓器移植医療給付金付先進医療保険」といい、3つの保障から成り立っています。
1. 先進医療給付金
先進医療の技術料が通算2000万円まで保障される
2. 先進医療一時金
先進医療給付金が支払われる療養を受けられたとき、1回につき5万円が支払われる
3. 臓器移植医療給付金
所定の移植術を受けたとき、1回限度で1000万円支払われる
この保険の特徴は何といっても、既加入の保険への付加という形ではなく、単独で加入できるところです。現在加入している医療保険やがん保険がどのような内容で、いつ加入した保険かといったことを心配する必要がありません。
ただ、この保険の一番の難点は、月払保険料が500円と高いことです。一般の先進医療保険特約の約5倍の保険料なので、そこをどのように考えるかが、この保険に加入するかどうかの判断基準となります。
まとめ
先進医療を受けると自己負担となり、場合によっては高額な費用がかかりますから、それに備えたいという意味では先進医療保険特約は大変良い保険です。
ただし、先進医療を受ける確率はそれほど高くないのも確かなので、最終的にはこの点をどのように考えるかで、この保険へ加入するかどうかを決めると良いでしょう。
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