わたしたち日本人の生命保険加入率は80%に達しています。その中の80%の方たちが現在加入している保険の内容について理解していない、同じく、70%の方たちは、現在加入している保険について不満があり見直しを希望していることが某リサーチ会社の調査で分かりました。
これほど多くの方が不満を抱いたり、理解をしていなのに生命保険に加入し続けているのは、使う時期が今ではなく自分が死んだあとだと思い込んでいることが原因ではないでしょうか。しかし、生命保険は死んだ後はもちろん、病気やケガをした時、つまり生きている時にも使える保障があるのです。
今回は生命保険の加入時に押さえておくと便利なポイントを3つに絞り、分かりやすくまとめてみました。
生命保険でできること①保障
生命保険は何のために入るモノなのでしょうか?
第一に何かあった時に自分たちが困らないようにする「保障」としての考え方があります。病気をして入院し手術をした、ケガをして通院した。身内の方が亡くなった。介護認定をうけることになった。理由は様々ですが、皆さんが何かあった時は金銭面の負担が重くのしかかります。保障があれば、加入している保険会社に連絡し必要な手続きをとることで保険金が入り助けてもらえます。
安心できる保障をきちんと準備するためにも、どういった保障を、どれくらいの額で、いつまでの期間、いくらぐらいの保険料(=掛け金)を払って、誰のため・何のために持つのか。契約内容は、年齢・家族構成・収入の多い少ない・将来の環境の変化に合わせて備えるモノです。誰もが同じものではなく、自分たちの状況に合わせて考えていくといいでしょう。
「保障」の部分は特約の設定を付け加えると様々な保障を持つことができます。ケガによる死亡保障の上乗せや治療費が心配であれば傷害特約をつけるといいですね。入院・手術をした際の費用であれば医療保障の特約を足す。保険会社も商品改定を随時していますので、最近では要介護2以上になれば、介護費用をまかなう一時金などが出るようなものもあります。保険に加入される際は、この特約の部分も合わせてご確認ください。
生命保険でできること②運用
ゼロ金利政策、量的・質的緩和政策に続き、マイナス金利の導入によって、いまや大手都市銀行などの円普通預金金利は、0.001%(平成29年9月時点)となりました。1000万の預金があっても利息は、わずか100円です。これでは預けているお金をいっこうに増やせそうにありません。
家計の余裕資金を少しでも将来のために増やそうと、生命保険を使っての「運用」に注目が集まるようになりました。
貯蓄・運用ができる生命保険として、終身保険、低解約返戻金型終身保険といわれるものがあります。保険の仕組みとして、保険会社は契約者から保険料として受け取った資金の一部を、国債・社債といった債券や国内外の株式への投資、貸付をして利息収入をあげるなどして運用しています。
平成29年4月に多くの保険会社の予定利率は下がったものの、以前は1%→現在は、0.25%と銀行の円普通預金金利の0.001%よりは高いといえます。単純比較として銀行金利の250倍の利率は魅力ですし、外貨をつかった商品では最低利率保証で3%つくものもあります。当然、保障の対象者が死亡時には、死亡保険金が遺族に支払われます。保障も運用も考えたいという方にとっては十分な選択になるでしょう。
ただし終身保険の保険料には、当然保障としての費用が組み込まれていること。一定期間内に解約をした場合は、解約金として返還されるお金は払い込んだ保険料より下回ります。保険で「運用」の際は、10年以降の中長期の運用期間をイメージしながら、余裕資金で取り組むようにして下さい。
生命保険でできること③税効果
生命保険、医療保険、個人年金保険に加入し保険料をおさめていると、払い込んだ額に応じて一定の金額がその年の所得から差し引かれる「生命保険料控除」という制度があります。所得の分母が少なくなりますので、結果として所得税・住民税の徴収額が下がる「税効果」のメリットがあります。
会社勤めの方であれば、毎年11月頃に保険会社から送られてくる通知はがきを職場に提出し、年末調整として職場を通じて手続きされている方も多いと思います。自営業・フリーランスでご活躍の方などであれば翌年の3月頃に確定申告で控除の申告をします。
また、契約者・被保険者(保障の対象者)が本人で、受取人がご遺族(法定相続人)である死亡保険金は、法定相続人の人数×500万円までは非課税として税金がかからないメリットもあります(相続放棄者の場合を除く)。税務に関しては制度改正などもあり、都度、税理士などの専門家に確認することをおすすめしますが、こういった制度も上手に取り入れると生命保険に加入していれば「税効果」のメリットがうけられます。
まとめ
「保障」・「運用」・「税効果」にポイントをしぼり、お伝えをしました。
私達がふだんの生活で感じる将来への不安材料の全てを、生命保険で取り除くことはできません。ですが、きちんと理解をして準備することで、いくつかの問題点を解決できる手段となります。
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